過去にウェブ制作を発注した方で、このような経験されたことはありますか?
- 制作会社に依頼したが、いつまで経っても納品されない。
- 修正を繰り返していくうちに、思っていたものとはかけ離れた成果物になってしまった。
- 制作の内容が不透明で、何をやってくれてるのか理解できない。
- 気づいたら見積もり時より大幅に予算を超過してしまった。
- 根拠の明示がされないざっくりした見積もり。
これらはプロジェクトマネジメントの欠落が原因かもしれません。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメント(以下PM)とは、プロジェクト毎のQCD(※1)を管理し、プロジェクトを成功に導くための手法です。「関与するメンバーが不幸にならない、顧客に迷惑をかけない、会社に利益をもたらす」を叶えるためのものです。
※1:QCD:Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)
PMのある会社と無い会社
全ての制作会社がPMを行なっているわけではありません。
PMを行なっていない制作会社とその理由
PMを必要としていない、あるいは必要だと認識していない制作会社です。以下の理由が挙げられます。
1)小規模で属人的
案件を管理するということは、管理に時間と労力が必要となります。つまり、そこに時間・労力を掛ける程、複雑に人員やプロジェクトが複雑に交わっていない場合です。全てのプロジェクトの全ての工程を一人で担当していたりする場合は、その人だけのタスク管理で済んでしまう場合があります。
担当者が超優秀で、複数のプロジェクトを一人でガンガン回している事も往々にしてあるでしょう。この場合、一人に負荷が掛かっているので、進捗が見える化されずらかったり、属人的なので制作工程がブラックボックス化しやすい点が注意です。
2)短期のプロジェクトが多い
1,2ヶ月で終了するプロジェクトが多く、工程も少ない場合は、1)とほぼ同じ理由で管理コストを賄いきれないのでPMを行なっていないケースがあります。
PMがある制作会社とその理由
上記と逆の状況の制作会社はPMを行なっています。制作工程が明確になっており、社内外のメンバーも関わりながら、長期のプロジェクトを複数同時並行で進めている会社です。この場合PMがなければ、プロジェクトはすぐに破綻してしまいます。
PMがないと起こるトラブル
「PMがない=品質・コスト・納期の全体共有がされていない」ということなので、それによる弊害が随所に発生します。制作会社では、上司がプロジェクトの進捗・採算性を把握できておらず、突発的に社員に報告を求めたり、急なスケジュール変更で社員が振り回される可能性があります。影響がクライアントにまで波及することで、この記事の冒頭で触れたような事態に至ります。
ルカデザインの場合
正直なところ、弊社で確立されたPMがあるかというと、まだまだ道半ばです。これまで、幸いなことに「時間は掛かっても、良いものを作って欲しい」と発注をいただくケースが多かったこともあってか、大きなトラブルに発展することはありませんでした。それでも、直近半年ほどで複数企業で取り組むプロジェクトが増えたこと、規模増大に伴う長期化により、プロジェクトを横断しての管理の必要性が出てきました。お取引のある制作会社様の手法を模倣したり、今まさに弊社に合ったやり方を模索している段階です。
また、プロジェクトマネージャは国家資格も設けられています。体系化されたPMBOK等の手法も学んでいきます。
まとめ
今回触れたプロジェクトマネジメントは、発注する顧客側の立場からすると、直接的な関係はないかもしれません。手法を問わず、制作に取り組むならスケジュールや予算などがきちんと管理されていて当然という認識もあるでしょう。
実際、案件管理が行われている会社はそれほど多くないです。業界的に新規案件を獲得することや、サイトの見栄え部分に重きが置かれ、その管理は蔑ろにされている場合があるからです。しかし制作会社が継続的な発展を目指す上では、いつか必ずぶつかる壁です。
PMがないと、
- スケジュール・工数・工程が管理されていない→スケジュール通り進まない可能性。
- プロジェクト毎の採算性が把握されていない→大まかな見積もり・根拠のない見積もりが提出される可能性。
- メンバーが今取り組むべきタスクが把握できない・どこがボトルネックになっているか判別できない→役割分担ができない→属人化・ブラックボックス化→顕在化なくともトラブル内包している可能性
上記は一例に過ぎませんが、逆にPMがあることで、顧客に不利益がもたらされることは想定できませんのでPMのある・なしを、制作会社を選定する際の1つの指標にしても良いのではないでしょうか。