
2022年7月20日に自社サイトをリニューアルしました。ポイント解説は制作事例に掲載しています。
ここでは、なぜこのタイミングで自社サイトをリニューアルしたのか、主に動機の部分について説明します。ウェブサイトのリニューアルを検討されている方、何かしらの参考になればと思います。
ウェブ制作会社は実態が見えにくい
サイトリニューアルが必要だったのには、いくつか理由があります。大前提として、ウェブ制作会社にとっての自社サイトは、一般的な企業サイトに求められる「信用力の担保」機能に加え、「認知・新規問い合わせのきっかけ・作品事例集」として非常に重要な役割を担っています。以前のサイトも2021年にリニューアルを行なっており、都度アップデートは行なっていました。今回大幅改修に踏み切った理由は、制作会社のリアルな部分が、より伝わりやすい構造・デザインにしたかった為です。



ウェブ制作会社にとって、商品としてのホームページ制作は、いわゆる「無形商材」になります。カタチが無い故にお客様に使っているイメージを持ってもらうのが難しく、品質にもバラつきが出やすいです。加えて、制作の過程も見えにくいです。もっと言うと、PCに向かって黙々と作業している以外に、どのように進めているのかが分かりにくい。つまり、お客様が何に対価を支払っているのかを伝えるのが難しい仕事です。
「制作会社のリアルな部分を見せたかった」というのは、制作に携わるスタッフの人となりが見えたり、制作の過程を見せたかったということです。何をやっているのか分からない、実態が不透明な制作会社ではなく、どういう人が、どういう想いでサイト制作をしているのかを、少しでも理解してもらいやすく表現する必要がありました。



デザイン面では、ウェブ素材ではなく実際の写真を多様しています。機能面では、スタッフ紹介+各自のアカウントからブログ投稿する形式に変えました。各自が日々業務に取り組むにあたり、どのような事を意識しているかをブログにまとめています。トレンド・新しい手法へ対応、アクセス解析に基づく仮説と検証の繰り返し等、実際のウェブ制作の現場は地道で泥臭い業務がほとんどです。過度に大変だアピールするということではなく、脚色せずに文章に起こしてもらうようにしています。
自社サイトだからできた実験
サイト制作で一番の肝は「構成」です。お客様の案件でこの部分を外部に委託することはあり得ません。今回は、敢えて外部の視点を入れてみました。SEOやサイト分析に定評のあるfaber companyのミエルカコネクトからウェブマーケターを斡旋してもらい、共同で構成作成に取り組みました。
フレームワークに基づくヒアリング・分析と、叩き台の構成作成までを委託し、その後は社内で揉んで形に。目的・課題別ページや、「社長が本業に専念しながら、成果の出るサイトをご提供します。」といった文言などは、提案いただいた内容をそのまま採用。よりユーザーの目線を反映した構成に仕上がりました。
また、普段は外部委託している写真撮影を自社で行いました。撮影の段取りを自分たちで経験することで、今後の撮影ディレクションやサイト制作段階での構図意識などに反映させる狙いです。実際やってみると、ライティング1つとってみても奥が深く、多くの気づきを得ることができました。
最低要件クリアで公開
サイトが完成に近づくと、「こんな機能を足したらどうか」「もっとこういう見せ方をしたい」など、こだわりが出てきて最初の設計になかった仕様を追加したがるのは、お決まりの流れです。ご多分に漏れず自社でも同じ事が起こりました。
仕様を追加すればそれだけ公開時期が遅くなります。このような場合、リリースが遅延することによる機会損失と天秤にかけ、それでも必要な機能のみを要件とすべきです。ここはお客様のサイト構築する際と同様、公開前に改修すべき項目と、公開後に改修する項目とに分けて管理していきます。
例えば、ビジュアルに関するこだわりは一旦、公開後項目に全て振り分けました。ユーザのページ遷移やサイト行動に影響を与えそうな項目(ボタンの位置や配色など)は公開前に手を入れます。
リニューアルの効果は
既に数件のお問合せをいただいていたり、サイトの滞在時間が増えたりといった効果が出ています。とはいえ、まだサイト公開して10日過ぎたところ。スタッフ各自のブログコンテンツも成果に結びつくまでに相当な時間を要するはずです。定点観測を行いながら、そのレポートも共有できればと考えています。