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WordPress REST APIの概要

山本

山本

「WordPress REST API」は、WordPress 4.7以降に標準搭載されている機能であり、通常のCMSとしてのWordPress利用時には目につかないことが多い技術です。
しかし、この技術を活用することにより、WordPressをより高いレベルへと引き上げることができる非常に便利なシステムです。
その可能性について、簡単に概説します。

基本コンセプト

WP REST APIは、WordPressのコア機能を拡張し、外部アプリケーションやサービスとWordPressサイト間のやり取りを可能にする技術です。このAPIは、REST(Representational State Transfer)原則に基づいて設計されており、ウェブ標準を用いてクライアントとサーバー間の状態を表現することを目的としています。

具体的に、標準的なHTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用し、リソース(投稿、ページ、カスタムポストタイプ、ユーザーなど)への操作を可能にします。
また、交換されるデータはJSON形式で提供されるため、その軽量性と読みやすさから、様々なプログラミング言語や環境での扱いが容易になります。

主な機能

WP REST APIを使用すると、様々な操作が可能になります。投稿、ページ、カスタムポストタイプの取得、作成、更新、削除が行えるため、サイトのコンテンツ管理が容易になります。
また、画像や他のメディアファイルのアップロード、取得、削除も可能で、メディアの管理を効率的に行うことができます。ユーザー管理に関しても、ユーザーの取得、作成、更新、削除を行うことができるため、サイトのユーザーベースの管理が簡単になります。コメントの取得、投稿、更新、削除も可能で、サイトの対話性を高めることができます。

さらに、カスタムエンドポイントを追加することにより、特定のニーズに合わせた独自のREST APIエンドポイントを設定することが可能です。これにより、WP REST APIの柔軟性と拡張性が高まり、開発者はよりカスタマイズされたソリューションを提供できるようになります。

利用シナリオ

代表的な利用シーンは以下の通りです。

  • ヘッドレスCMS
  • モバイルアプリ
  • 外部アプリケーションとの統合

ヘッドレスCMS

WP REST APIを利用することで、フロントエンドをReact、Vue.jsなどのJavaScriptフレームワークで構築し、WordPressをバックエンドとして切り分けることが可能になります。
このように、表示層を持たずにコンテンツ管理機能のみを提供するシステムをヘッドレスCMSと呼びます。

モバイルアプリ

WordPressのコンテンツデータをWP REST APIを通じてモバイルアプリ内で表示させることができます。さらに、モバイルアプリからWordPressのコンテンツを操作することも可能です。

外部アプリケーションとの統合

CRMやマーケティングオートメーションツールなどの外部サービスとWordPressサイトのデータを連携させることができます。

実装の注意点

まず、WP REST APIの利用には認証が必要なものが含まれます。これには、コンテンツの更新やユーザー情報の取得が含まれます。そのため、Cookie認証、アプリケーションパスワード、OAuthといった複数の認証方法を適切に実装し、サポートすることが求められます。

次に、APIを公開することによりサイトが外部からの攻撃にさらされるリスクが高まるため、認証の実装だけでなく、権限チェック、データの検証とサニタイズにも細心の注意を払う必要があります。

さらに、デフォルトのエンドポイントだけでなく、特定のニーズに合わせて独自のカスタムエンドポイントを追加することが可能ですが、この際もセキュリティとデータの整合性を保ちながら柔軟にカスタマイズできるよう、慎重に設計することが重要です。

これらの実装の注意点を遵守することで、安全かつ効率的なシステム構築が可能になります。

まとめ

不適切な使用は、意図せずセキュリティレベルを低下させる可能性がある一方で、適切に利用すればセキュリティを大きく向上させることが可能です。
特に、バックエンドとフロントエンドの明確な分離は、CMSの利用に伴うセキュリティリスクを極めて低く抑える可能性を秘めています。この分離により、攻撃面を最小限に抑え、より安全なウェブ環境を実現することが期待されます。

ただし、WP REST APIを利用するには、通常のWordPressによるホームページ制作に比べて、実装の難易度やコストが高くなることがあります。これは、APIを通じてデータをやり取りするシステムを設計、開発し、適切なセキュリティ対策を施す必要があるためです
。開発者はAPIの認証方法、データの検証とサニタイズ、エラーハンドリングなど、セキュリティとパフォーマンスに関わる多くの側面を考慮し、適切に対応するスキルが求められます。
また、フロントエンドとバックエンドの分離により、クロスオリジンリソースシェアリング(CORS)の設定など、追加のセキュリティ対策を施す必要がある場合もあります。そのため、WP REST APIを利用する際には、技術的な知識だけでなく、適切なセキュリティ対策の実施が不可欠です。

これらの要件を満たすことができれば、WP REST APIは強力なカスタマイズ性とセキュリティを提供し、ウェブ開発の可能性を広げる重要なツールとなり得ます。

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